国際コミュニケーション英語能力テスト(こくさいコミュニケーションえいごのうりょくテスト、Test of English for International Communication)、通称TOEIC(トーイック)は、英語を母語としない者を対象とした、英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験である。
試験問題は米国のETS(Educational Testing Service:教育試験サービス)により作成される。
試験は、TOEICプログラム全体としては、2010年度は120ヶ国で実施されまた約600万人が受験している。TOEICは日本では年8回実施され、受験者数は、2010年度は約178万人となっている。
試験は、聞き取り (Listening) が100問と読解 (Reading) が100問の計200問の構成となっている。設問は、身近な事柄からビジネスに関連する事柄まで、幅広くコミュニケーションを行う能力を測る目的で作られている。試験問題は各国共通である。
評価は、聞き取りと読解でそれぞれ5?495点の間で5点刻みで行われ、合計の10?990点が総合的なスコアとして認定される。これらは素点による絶対評価ではなく、Equatingと呼ばれる方式を用いて統計的に算出される。これにより、各回で問題の難易度に多少の差があっても、受験者の英語運用能力が同等であればスコアに大幅な変化は生じないとされている。
合否判定はなく、受験時におけるスコアを認定する制度を採用している。受験後には「Official Score Certificate(公式認定証)」が発行される。なおこの公式認定証に有効期限は設定されていない。
TOEICには2つの形式があり、1つは個人に対して実施され、ETSによりスコアが正式に認定される「公開テスト (Secure Program Test: SP Test)」、もう1つは過去の公開テストで出題された問題を使って企業や学校等の団体で随時実施される「IPテスト(Institutional Program:団体特別受験制度)」である。
非英語圏では、雇用や人事評価の際にスコアを用いる例がある。日本の大学や大学院では、実用英語技能検定(英検)やTOEFLと同様に、受験生の英語運用能力の判定材料に用いられることがある。
1979年、日本経済団体連合会と通商産業省の要請に応えて米国ETS(Educational Testing Service:教育試験サービス) (en:Educational Testing Service) が開発した。1981年にはIPテストの実施を始め、1982年には韓国でも実施されるようになった。日本での実施主体は、当初は財団法人世界経済情報サービス (WEIS) であり、1986年2月より国際ビジネスコミュニケーション協会となった。2000年には日本での年間の受験者数が100万人を超えた。
2002年から2003年において、日本と韓国以外ではほとんどがIPテストのみを実施している。
2008年度においては、TOEICのみについては約90ヶ国で実施され、日本で約171万人、韓国で約200万人、総計で約500万人が受検した。
2011年3月13日実施予定であった第161回については、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で試験会場の確保ができなくなったことなどにより、日本の277箇所のすべての会場で約16万人が受検予定であった試験の中止をすることとした。
このセクションは合計100問、制限時間は 45分間である(但し、音声の長さに応じて制限時間が多少変わる場合があり、その場合は予め告知される)。
旧構成の Part 3、Part 4の問題文は印刷のみであったが、新構成では印刷されている問題文が音声でも読み上げられる。またPart 3、Part 4の1つの会話・説明文に対する問題数が2?3問と不定であったものが、新構成ではそれぞれ3問に固定されている。
このセクションは合計100問、制限時間は75分間である。
スコアに応じて、コミュニケーション能力のレベル (Proficiency Scale) がA, B, C, D, Eの5段階で評価される。また、スコア分布も公開され、受験者中のおおよその順位を知ることもできる。TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表は以下の通りである。
| レベル | TOEICスコア | 評価 | ガイドライン |
|---|---|---|---|
| A | 860点〜 | Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。 | 専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。Native Speakerの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている。 |
| B | 730点〜855点 | どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。 | 通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。正確さと流暢さに個人差があり、文法・構文上の誤りが見受けられる場合もあるが、意思疎通を妨げるほどではない。 |
| C | 470点〜725点 | 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。 | 通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。 |
| D | 220点〜465点 | 通常会話で最低限のコミュニケーションができる。 | ゆっくり話してもらうか、繰り返しや言い換えをしてもらえば、簡単な会話は理解できる。身近な話題であれば応答も可能である。語彙・文法・構文ともに不十分なところは多いが、相手がNon-Nativeに特別な配慮をしてくれる場合には、意思疎通をはかることができる。 |
| E | 〜215点 | コミュニケーションができるまでに至っていない。 | 単純な会話をゆっくり話してもらっても、部分的にしか理解できない。断片的に単語を並べる程度で、実質的な意思疎通の役には立たない。 |
団体特別受験制度(IP: Institutional Program、以下TOEIC-IP)とは、実施される団体の都合に合わせて随時、TOEICを実施できる制度のことである。なお「公開テスト団体受験一括申込」とは異なる。
TOEIC-IPには、TOEIC公開テストと比較して、次の相違点があるため注意が必要である。
受験者の写真と署名が印刷された「Official Score Certificate(公式認定証)」は発行されない。
過去に実施されたTOEIC公開テストと全く同一の問題が出される、いわゆる「過去問試験」である。
受験の際、顔写真入り身分証明書等の確認による厳密な本人確認が、必ずしも行われているわけではない。
実施会場が、それぞれの団体が指定する会場となる。
企業・学校・団体が、履歴書・入学願書にTOEIC「公開テスト」のスコアを記入することを指定する場合、TOEIC-IPのスコアは記入することができない。また、公式認定証の提出が必要である場合、TOEIC-IPでは公式認定証は発行されないため提出することができない。
なお、TOEIC-IPのスコアの統計的有効性については、通常TOEIC公開テストと同等であると考慮される。